【LP分析シリーズ】お客様の声編|信頼を積み上げる体験談の見せ方
「お客様の声」はなぜ、LPの中でこれほど重要なのか
LPを訪れたユーザーは、まず「本当に効果があるのか」「自分に合っているのか」という疑念を抱えた状態でページを読み始めます。どれだけ丁寧にサービスの特長を説明しても、発信者である企業自身の言葉だけでは、その疑念を完全に払拭することは難しいのが実情です。
こうした心理的な障壁を乗り越えるうえで機能するのが、第三者による体験談、すなわち「お客様の声」です。マーケティングの文脈では「社会的証明(Social Proof)」と呼ばれる概念に相当し、「他者が良いと感じているなら自分にも合うかもしれない」という判断を促す効果があります。PASONAの法則でいえば「証拠(Narrow down)」の役割を担う要素でもあり、訴求の流れの中でコンバージョンへの後押しをする位置づけにあります。
ただし、お客様の声はただ掲載すればよいというものではありません。掲載の仕方・内容の質・見せ方の設計によって、その効果は大きく変わります。
信頼性を高める「お客様の声」の構成ポイント
① 変化の「前後」を明示する
体験談として最も説得力を持つのは、「導入・利用前の状態」と「その後の変化」が具体的に語られているものです。単に「良かったです」「スタッフが丁寧でした」という感想文では、読者は自分ごととして捉えにくくなります。
たとえば、以下の2つを比較してみてください。
【改善前の例】
「利用してみて、とても満足しています。担当者の対応も丁寧で安心できました。」
【改善後の例】
「以前は広告を出稿しても問い合わせにつながらず、費用対効果に悩んでいました。LPを見直してから、同じ予算で問い合わせ数が安定するようになり、営業活動の計画が立てやすくなりました。(40代・製造業・会社経営者)」
後者は「どんな課題を抱えていたか」「何がどう変わったか」が伝わるため、同じ課題を持つ読者の共感を引き出しやすくなります。
② 属性情報でターゲットとの接点をつくる
「誰の声か」という情報は、体験談の信頼性に直結します。名前だけでなく、年代・職業・利用状況などの属性情報を添えることで、読者が「自分と近い人の声だ」と感じやすくなります。
特に複数のペルソナが存在するサービスの場合、属性の異なる体験談を複数掲載することで、より広い層の読者に「自分向けの情報」として受け取ってもらえます。
③ 顔写真・実名・企業名を可能な範囲で開示する
匿名の体験談は、読者に「本当に存在する声なのか」という疑問を抱かせることがあります。許諾を得た上で顔写真・実名・勤務先や業種などを開示できると、信頼性は格段に上がります。BtoBサービスであれば企業名・役職の掲載が特に有効です。
顔写真を使用する場合は、プロが撮影した清潔感のある写真を使うことをお勧めします。スマートフォンの自撮り風の画像は、かえって信頼性を損なうことがあります。
④ 体験談の「量」と「配置」を戦略的に設計する
お客様の声は、LPの中で1か所にまとめるだけでなく、離脱が起きやすいポイントに分散配置する手法も有効です。たとえば、価格提示の直後や申し込みボタンの近くに体験談を置くことで、迷いが生じやすいタイミングで背中を押す効果が期待できます。
掲載数の目安として、一般的には3〜5件程度から始め、ターゲット層が複数あるサービスでは6〜8件程度まで増やすことも検討できます。ただし、件数を増やすほどページの読了率に影響が出る場合もあるため、スクロール深度などのデータを見ながら調整することが望ましいです。
よくある失敗パターン:実務でありがちな状況
- 「感謝の言葉」しか掲載されていない:「ありがとうございました」「スタッフが親切でした」という定型的な感想文のみを並べているケース。読者の購買判断には影響しにくく、掲載している意味が薄れてしまいます。
- 体験談がLP上部にしか配置されていない:「お客様の声」セクションを1か所にまとめているだけで、価格提示後や申し込みフォーム直前に何も置かれていないケース。コンバージョン率の改善機会を逃している状態です。
- 全員が同じ属性の声になっている:20代女性の声ばかり5件掲載されているケース。ターゲットが複数存在するのに、声の属性が偏っていると、一部の読者には「自分向けではない」と感じさせてしまいます。
- テキストのみで視覚的な変化がない:体験談が本文と同じフォント・色・サイズで並んでいると、スキャンしながら読む多くのユーザーには目に留まりません。背景色の変化・囲みデザイン・引用マークなどで視覚的に区別することをお勧めします。
掲載にあたって押さえておきたい法規制の観点
お客様の声・体験談を掲載する際には、景品表示法や薬機法への配慮が必要な場合があります。特に健康・美容・金融などの分野では、体験談をもって効果・効能を断定的に表現することは法令上のリスクを伴います。「個人の感想です。効果には個人差があります。」などの注記を入れることが一般的な対応ですが、業種・サービス内容によって適切な対応が異なるため、必要に応じて専門家への確認をお勧めします。
また、掲載する声は必ず本人から書面・メール等で掲載許諾を取得した上で使用してください。架空の体験談・過度に誇張した内容は、景品表示法上の「不当表示」に該当するリスクもあります。
まとめ:お客様の声の改善チェックリスト
- 体験談に「利用前の課題」と「その後の変化」が具体的に記載されているか
- 年代・職業・業種など、読者が自分と重ねやすい属性情報が添えられているか
- 可能な範囲で顔写真・実名・企業名が開示されているか
- 体験談の属性が偏っておらず、複数のペルソナをカバーしているか
- 体験談がLP内で分散配置されており、価格提示後・フォーム近辺にも配置されているか
- 視覚的に本文と区別できるデザインになっているか(囲み・背景色など)
- 掲載内容が景品表示法・薬機法の観点からリスクのないものか確認済みか
- 掲載にあたり、本人から許諾を取得しているか
LPにおける「お客様の声」の改善は、コピーライティングやデザインの変更と比べて地道な作業に感じられることもありますが、読者の信頼を積み上げるうえで欠かせない要素です。体験談の質と配置を丁寧に設計することで、ページ全体の説得力は大きく変わります。
LPの構成や体験談の見せ方にお悩みの方は、クアジュ合同会社にお気軽にご相談ください。