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【LP分析シリーズ】追伸(P.S.)編|LPの最後に添える一文が成約率を左右する理由

追伸(P.S.)とは何か、なぜLPの末尾に置くのか

セールスレターの文化から派生した追伸(P.S.)は、本文の締めくくりのあとに短く添えるひと言です。紙の手紙において「書き忘れたことを付け足す」という本来の用途から転じ、現代のLPでは「本文を読み流した人に、最後のひと押しを届ける装置」として機能します。

ページを訪れたユーザーの視線は、必ずしも上から下へ均等に流れるわけではありません。ファーストビューで離脱する人がいる一方で、ページの末尾まで到達したユーザーは、それだけ興味関心が高い状態にあるとも言えます。そのような読者に対して、CTAボタンの直後に短文を添えることで、迷いの解消や行動の後押しを図る——それが追伸の役割です。

長文のLPであれば、本文を斜め読みして結論部分だけを確認する読者も少なくありません。追伸はそうした「流し読みユーザー」の目にも留まりやすく、本文の要旨を再提示する要約的な機能も持ちます。

追伸を書くうえで押さえておきたい4つのポイント

① 追伸は「本文の繰り返し」ではなく「視点の変換」で書く

追伸でよくある誤りは、本文に書いたことをそのまま要約して並べることです。同じ情報を同じ角度で繰り返しても、読者の心理は動きません。効果的な追伸は、本文とは異なる切り口——たとえば「今行動しない場合のリスク」や「申込者だけが得られる副次的な価値」——を短く提示します。

PASONAの法則(Problem・Agitation・Solution・Offer・Narrowing・Action)でいえば、追伸はNarrowingとActionを凝縮して再提示する場所に当たります。「この条件に当てはまる方だけが対象です」「今週中のご連絡に限り〇〇が含まれます」といった絞り込みの文脈が追伸に置かれると、読者の意思決定を促す効果が高まります。

② 損失回避の心理を活用し、「しない場合」を想起させる

行動経済学の知見として広く知られている通り、人は「得ること」より「失うこと」に対してより強く反応します。追伸では、この損失回避の原理を活かした文言が有効です。

たとえば——

【追伸の文言例】
P.S. もし「もう少し考えてから」とお感じでしたら、一点だけお伝えしておきます。現在ご案内しているモニター価格は、枠が埋まり次第終了となります。数日後にページを再訪いただいた際に、通常価格に戻っていたというケースも過去にございました。今の状況が気になっていらっしゃるなら、まずは無料相談だけでも、お気軽にどうぞ。

このように、「今すぐでなくていい」という心理的ハードルを下げながら、行動を遅らせるリスクを静かに提示する構成が、押しつけがましくなく機能します。

③ 文字数は3〜5行を目安に「短さ」を守る

追伸が長文になると、それ自体が読み飛ばされます。本文を読み終えた段階での読者の集中力は、ページの冒頭と比べて低下しています。追伸はあくまでも「短い補足」として機能させるため、3〜5行(スマートフォン表示で7〜8行以内)を上限の目安とすることをお勧めします。

また、「P.S.」という記号を冒頭に明示することで、読者は直感的に「本文とは別の短いメッセージ」として認識します。この記号を省いてしまうと、本文の続きと混在して視認性が落ちるため、表記は省略しないほうが賢明です。

④ 追伸内のCTAは本文と同一のアクションに絞る

追伸の末尾に別のCTAリンクを置く場合、本文のCTAと異なるアクションを促すのは避けるべきです。たとえば本文では「無料相談の申込み」を促しているにもかかわらず、追伸で「メルマガ登録はこちら」と誘導してしまうと、読者の注意が分散し、どちらの行動もとられない結果になりやすい傾向があります。追伸のCTAは本文と同じゴールへの導線を再掲するに留め、読者の選択肢を増やさないことが肝要です。

実務でよく見られる失敗パターン

  • 追伸を「補足情報の置き場所」として使ってしまう:「なお、返金保証については〇〇をご確認ください」のように、読み飛ばした読者が気づかないと困る重要事項を追伸に記載するケース。重要情報は本文中に置くべきです。
  • 「最後にもう一度だけ」と前置きして本文を繰り返す:情報が重複するだけで読者の感情は動かず、追伸としての機能を果たしていません。
  • 追伸内で新しい特典・条件を突然提示する:本文に記載がない優遇条件を追伸だけに書くと、本文を読んだ読者との情報の非対称が生じ、信頼性を損なう可能性があります。
  • スマートフォン表示で追伸がCTAボタンの下に埋まってしまっている:デスクトップでは問題なく見えていても、スマートフォン表示ではボタンと追伸の間隔が詰まりすぎて視認性が下がるケースがあります。デバイスをまたいだ表示確認は欠かせません。

追伸に関連する周辺的な注意点

追伸内で期間限定・数量限定などの希少性を訴求する場合、その根拠が実態に即していることが前提となります。実際には制限がないにもかかわらず「残りわずか」と記載することは、景品表示法における有利誤認表示に抵触するリスクがありますので、表現の根拠は必ず担保したうえで掲載するようにしてください。

また、健康食品・サプリメント・化粧品などを扱うLPで追伸内に効果・効能を示す表現を入れる場合は、薬機法の観点からも文言を精査することをお勧めします。追伸は短い文章ゆえに確認が甘くなりがちな部分ですが、法的リスクの観点では本文と同等の注意を払う必要があります。

追伸の品質を確認するためのチェックリスト

  • 本文と異なる切り口(損失・希少性・副次的価値など)で書かれているか
  • 文字数はスマートフォン表示で7〜8行以内に収まっているか
  • 冒頭に「P.S.」の記号が明示されているか
  • 追伸内のCTAは本文のゴールと同一のアクションを指しているか
  • 期間・数量限定の表記がある場合、実態に基づいているか
  • スマートフォン表示でCTAボタンと追伸が適切な間隔で表示されているか
  • 重要な情報や条件が追伸にのみ記載されていないか

LPの追伸は、「なくても成立する部分」として後回しにされることが少なくありません。しかし、ページの末尾まで読み進めた読者——すなわち最も購買意欲が高い層——に向けたコミュニケーションとして、丁寧に設計する価値のある要素です。一文の追加が、その後のCV数の積み上げに静かに影響を与え続けることもあります。

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